それまでは欧米が中心とされてきた世界のウイスキー事情に日本が参入してからおよそ100年近くが経とうとしています。そんななか、近年の日本におけるウイスキー市場の隆盛は実に目覚ましく、ジャパニーズウイスキーは今や世界五大ウイスキー産地にも数えられるようになっています。
日本を代表するウイスキーとして、世界に広く認知されている銘柄のひとつが、言わずと知れた国内最大のウイスキーメーカー・サントリーが造る「山崎」です。メイドインジャパンの高品質ウイスキーの代名詞として、海外のウイスキーファンにもこの山崎ファンは大勢いると言われています。
そんな山崎の高い品質を象徴づけるかのような事件が、2015年におこりました。イギリスの有名なウイスキーガイド本、「ワールド・ウイスキー・バイブル」の2015年度版において、「山崎シェリーカスク2013」が並居る世界のウイスキーたちを押しのけ、世界最高のウイスキーに選ばれたのです。
それまでも様々なコンペティションで数々の金賞に輝いてきた山崎が、ついに世界一のウイスキーの座を手にしたとして、この事件は世界中に衝撃を与えました。それまでも高品質が認知されていたジャパニーズウイスキーが、ついに公的に世界の頂点に立ったのです。
「山崎シェリーカスク2016」は、そんな世界一に輝いたウイスキー「山崎シェリーカスク2013」に使われていた原酒をさらに2年間熟成させたものをベースに、25年以上熟成させたモルト原酒を組み合わせたことでさらに深い熟成感と、まろやかで複雑な味わいを実現させたと言われています。スパニッシュオーク製のシェリー樽で熟成された原酒の凝縮された果実香や濃厚で優しい口当たりは、他のどんなウイスキーにも真似できない、唯一無二の山崎の個性なのです。
日本国内での販売本数はわずか1500本ほどという、非常に希少価値の高いボトルのひとつです。
ジャパニーズウイスキーの歴史を切り開いたパイオニアとして、絶対に外すことが出来ない存在がサントリー、そして、山崎です。シングルモルトウイスキー山崎が製造されているのは、その名の通り山崎蒸留所。古くから名水の地として有名な大阪府三島郡島本町山崎に、この蒸留所が建造されたのは、1923年のことでした。
山崎の地は、その水質の良さからかつて千利休が茶室を設けたとも言われており、万葉の歌にもその名が詠まれています。また、霧深く冷涼な気候も相まってウイスキー造りに適した環境が整っていたのだと言います。
サントリーの前進である寿屋の創業者鳥井信治郎氏はこのことに目を付け、日本初の本格的なモルトウイスキーを造る山崎蒸留所が誕生したのです。山崎蒸留所では「白札(のちのサントリーホワイト)」や「ローヤル」、「サントリー角」といった様々な銘酒が次々に発売され、次第に日本にウイスキー文化を定着させていったと言われています。
そして、そんな山崎蒸留所の開業60周年を記念して、1984年から発売が開始されたウイスキーの銘柄が「山崎」。のちに世界を席巻することになる、日本を代表するウイスキーの誕生です。
山崎蒸留所では、世界にも比肩するもののいない巨大な規模で複数の設備を使い分けることで、世界でも珍しい多様な原酒の作り分けをしていることが最大の特徴です。そうした様々な原酒を繊細にヴァッティング(ブレンド)することで、山崎をはじめとした、日本人の味覚に合うようなウイスキーが造られているのです。
「山崎シェリーカスク2016」をはじめとした山崎シングルモルトウイスキーシリーズは、山崎の世界的な好評を受けてサントリーが2011年に初めて発売した限定ラインナップです。山崎を構成する様々な原酒のうち最も特徴的な4種類の原酒を単体でボトリングし、山崎のルーツを感じてもらおうという意図でリリースされています。
リリースされたのは「バーボンバレル」「パンチョン」「ミズナラ」、そして「シェリーカスク」の4種。はじめは一度きりの限定リリースの予定だったそうですが、あまりの人気ぶりを受け、その後も何度か追加生産されています。「シェリーカスク2016」はそんなシングルモルトウイスキーシリーズの中でも最も人気の高かったシェリーカスクシリーズの追加リリースされたボトルです。
世界一のウイスキーに輝いたシェリーカスク2013に使われた原酒をさらに熟成させたことで、より深い味わいを表現しているのだと言われています。
山崎シェリーカスクを始めとした山崎シングルモルトウイスキーシリーズは、山崎を構成する様々な原酒のそのものの味わいを感じられるようにボトリングされています。そのためボトリングする際には冷却ろ過処理を施さない、ノンチル・フィルタードという製法で瓶詰めされているそうです。
これによって、ウイスキーの液体中に沈殿物が出てしまう恐れがある一方で、ウイスキー中に香味成分をできるだけ多く残した状態でウイスキーを味わうことができるのだそうです。 ウイスキーを熟成させる際には、同じ材質の樽に同じ原料の原酒を熟成させていても、樽が置かれている環境や樽それぞれの微妙な個体差によって、その味わいは様々に変化してしまうのだそうです。
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