「サントリーシングルモルト山崎35年」は、世界で名高い酒類コンペティションにて最高賞を複数回受賞している「山崎」シリーズのひとつで、超長期熟成原酒を使用したウイスキーです。口に含むと、まずミズナラ樽原酒による白檀や伽羅(キャラ)の芳香が膨らむのを感じ、徐々に熟れた果実やスモーキーな穀物のフレーバーが広がっていきます。
白檀や伽羅のフレーバーはジャパンメイドならではの個性と世界で高い評価を受けました。
最後に熟成木香の甘美な余韻が心地よく感じられるのも大きな特徴です。また、滑らかで軽い口当たりのウイスキーですが、エネルギッシュで複雑なコクのある味わいが絶妙なバランス感を醸し出し、円熟感を感じられます。
「山崎35年」は、サントリーが山崎蒸留所に保有する、数多いウイスキー原酒から酒齢35年以上の超長期熟成原酒を厳しく選定し、ヴァッティングしています。ヴァッティングに使用された原酒は、一番年代が新しい原酒で1970年に蒸留されたものの他、全部で10樽の原酒が選ばれました。
ストレートヘッドの釜で全ての原酒を蒸留し、樽の詰め替えを重ねた後に古樽へ貯蔵する製造方法がとられています。また、マイリング(後熟)には容量90リットルの特別なシェリー樽を使用して完成させたシングルモルトウイスキーです。後熟に使用した小型のシェリー樽は「山崎35年」製造のために用意されました。
「山崎35年」はプレミアムウイスキーとして、日本国内を含む世界での販売数量が200本限定のリリースでした。
ボトルデザインは従来の「山崎」と同様の透明ボトルにオリジナルラベルが使用されています。
また、樽材のホワイトオークをマテリアルに使用して制作された蓋つきの特性ボックスが付属しており、「山崎35年」の高級感ある世界観を表現しているのが特徴です。ボックスの蓋裏には、「山崎」のロゴマークと山崎蒸留所の画像がレイアウトされています。受注開始の翌日に完売の知らせがサントリーから発表されるなど、注目度と人気の高いウイスキーとしてモルトファンに広く知られている高級品です。
1923年に鳥井信治郎は日本で最初の蒸留所建設計画に着手し、サントリーの創始者として世界に認められるウイスキー造りをスタートさせます。困難を乗り越えながらウイスキー製造技術の研究やテイスティングを重ね、1929年に国産ウイスキーを日本で初めてリリースしました。
しかし、当時の日本ではウイスキーそのものが浸透しておらず、手ごたえの得られなかった事実が歴史として語られています。
サントリー創始者の鳥井信治郎は信念を曲げることなくウイスキー造りを継続し、1937年発売の「角瓶」を皮切りに数々の名酒を生み出すことで人気を博しました。日本へウイスキー文化を根付かせることに成功したのです。
1980年代に入り、高度経済成長の頂点にある中で国民の価値観が多様化する時代が訪れます。
時代の風潮を読んだ当時のマスターブレンダ―によって、強い個性のあるウイスキー造りがサントリーのウイスキー製造に置けるテーマとなりました。
この頃から「山崎」の歴史がスタートします。数十万種類もの原酒をヴァッティングさせ、2年間の月日を掛けて造り出された「山崎」は、1984年3月14日に初リリースされました。
「山崎35年」は、3代目のマスターブレンダ―である鳥井信吾によって原酒の選定がされたウイスキーです。
1966年から1970年に掛けて山崎蒸留所にて蒸留されたモルト原酒を使用していますが、全て酒齢35年を過ぎたものが厳選されています。
酒齢35年と言う超長期熟成の原酒が極めて品質の高い状態を保ち続けることは、世界的にも難しいとされる技術です。
「山崎35年」に使用されているのは貴重なモルトであり、サントリーの80年以上に及ぶウイスキー造りに対するクラフトマンシップが活かされた希少なシリーズとなりました。
「山崎35年」は2006年5月23日に200本限定で発売され、「山崎50年」と同様に一日での完売となり、同年5月24日には日本経済新聞にて「50万円のウイスキー発売」との記事が掲載されて話題となったウイスキーです。
「山崎35年」は2006年5月23日にサントリーから受注を開始されましたが、販売本数がごく少量であることや、「山崎」シリーズの人気の高さから瞬く間に完売となった希少価値の高いウイスキーです。
注文出来なかったファンに対し、サントリーがお詫び分を掲載した完売御礼のコメントが翌日の5月24日に発表されました。
特別仕様の「山崎」であるため、パッケージデザインにも工夫が凝らされ、オリジナルラベルには日本を代表する画家として名高い横山大観や東山 魁夷が愛用した福井県嶺北地方で生産される越前和紙を採用しています。下地となる和紙へ鬱金や箔をのせ、更に和紙を上掛けした4層からなる手作りのものが「山崎35年」のラベルに使用された和紙です。
越前和紙は手漉きの技術によって製紙されるのが特徴ですが、「山崎35年」のラベル制作時も職人の手によって直接手漉きが行われました。
このオリジナルラベルは「山崎」の透明ボトルと調和し「山崎35年」のプレミアムな世界観を和紙の風合いを活かしたデザインで表現しています。
また、「山崎35年」の白檀や伽羅を感じるフレーバーはウイスキーとして他にはなく、世界初のオリジナルのものです。
日本人にはゆかりの深い芳香ですが、リリースと同時に世界のモルトファンからユニークだと高い評価を受けました。この白檀や伽羅の熟成木香は、原酒の熟成に使用する樽によるもので、北海道産のミズナラをマテリアルとしています。
ウイスキーは何十年もの時を掛けて造られるのが一般的ですが、各時代のブレンダ―マスターがこだわり抜いて造った原酒を、次世代のブレンダ―マスターへ引き継ぐのは当然としたクラフトマンシップがサントリーのウイスキー製造を支えて来ました。
世代を超えた技術の結晶が「山崎35年」として完成したのです。製品化の際は樽熟成によって生まれる多彩なモルト原酒の中から複数の原酒を厳選しますが、「山崎35年」であれば、35年の酒齢が原酒の最低年数であり、平均熟成年数は更に高く、円熟味のある淡麗な味わいを表現しています。
山崎35年のお買取ならウイスキー買取コンシェルジュにお任せください。