ジャパニーズウイスキーの歴史を語るうえで、決して欠かすことが出来ない銘柄、それが「山崎」シリーズです。
サントリーの前身である寿屋が日本初のウイスキー蒸留所として開設し、その後のウイスキー造りを常にけん引してきた山崎蒸留所。「山崎」シリーズは、そんな山崎蒸留所で製造されているシングルモルトウイスキーです。
山崎25年はそんな日本を代表するウイスキーである山崎の中でも最高峰に位置付けられている銘柄です。山崎の中でもこれ以上の熟成年数のものとしては、限定発売されていた山崎50年がありますが、こちらは過去3度だけの発売だったので、通常手に入るラインナップとしては最も熟成年数が長いものとなっています。
ウイスキーを造るためには樽での熟成は欠かせない工程ですが、その過程において、樽内に入れられた原酒は徐々に揮発して減っていってしまいます。本場スコットランドでは「天使の分け前」と呼ばれているこの減少分は、一般的には1年間で2%ほどずつと言われています。
そのため長期熟成のウイスキーは大量生産もできず、また熟成によって原酒の複雑味が増していくため、生産時に一定の品質を維持することが難しくなっていくのです。
一方で、そうした長期熟成ウイスキーは、熟成を重ねるごとに複雑な味わいと深いコクが凝縮されていくため、ウイスキーファンからの人気が非常に高いのです。
山崎25年は、山崎蒸留所で醸造、保管されている多彩なモルト原酒を四半世紀以上に渡って熟成させることで造られています。
様々な原酒をブレンドすることによって造られておりその詳細な内訳は当然非公開となっていますが、上品な甘みとレーズンやビターチョコレートを思わせる香りが特徴的なシェリー樽熟成原酒に、日本古来の木材であり白檀や伽羅を感じさせるとされるミズナラ樽原酒を混ぜ合わせることで、独特の複雑な味わいが実現されているのだと言われています。
山崎25年は、樽から染み出した濃い赤褐色の色合いと深い余韻が、長い年月を感じさせるウイスキーです。
長期熟成ウイスキーらしいしっかりとした厚みと奥行きのある味わいが特徴的で、近年のジャパニーズウイスキーブームのおかげもあり、国内外問わずウイスキーファンからの人気が高騰している銘柄のひとつとなっています。
山崎25年が製造されている山崎蒸留所は、大阪府三島郡島本町山崎にあります。
日本初の本格的なウイスキー蒸留所として、寿屋(現在のサントリー)の創業者である鳥井信治郎の主導で建設されたこの施設は、1923年に操業を開始して以来100年近くに渡って日本のウイスキー界をリードし続けています。
この地は古くから名水の地として広く知られており、かつて千利休がこの地に茶室を設けていたとも言われるほど。その水質の良さは折り紙付きです。
また、山崎の地は、宇治川、木津川、桂川といった大きな川の合流地点となっているため、霧が発生することが多く、温度・湿度ともにウイスキー作りに最適な環境が出来上がっているのだと言われています。
山崎蒸留所の最大の特徴は、複数の設備を使い分けることで多種多様な個性をもった原酒を造り分けていること。この大規模蒸留所での原酒の造り分けは、世界でも非常に珍しいと言われています。
そうして造られた様々な原酒を丁寧に熟成させ、またブレンダーと呼ばれる職人たちがそのそれぞれを繊細に掛け合わせることによって、ジャパニーズウイスキー「山崎」は造られているのです。
その卓越した技術は国内外を問わず、常に高く評価され続けています。
山崎シリーズは近年のジャパニーズウイスキーブームの火付け役になったとも言われており、今なお多くのウイスキーファンを魅了し続けています。
そんな山崎シリーズの中でも最も人気が高いと言われている山崎25年は、1999年のサントリー創業100周年を記念して、その一足早い1998年から発売開始されています。
長期熟成ウイスキーのため大量生産ができず、そのため生産本数は年間でも1200本ほどと言われています。
質の高さと流通本数の少なさも相まって、品薄が続くジャパニーズウイスキー市場においても特に希少なボトルのひとつだと言われています。
徹底的なこだわりと卓越した技術によって、高品質なウイスキーを造り続けている山崎。その中でも長期熟成ラインナップである山崎25年は、最高級の国産ウイスキーとして、非常に人気が高い銘柄だと言われています。
その評価は国内だけでなく、国外のウイスキーファンからも幅広く支持されています。
山崎25年は、世界で行われるさまざまなコンペティションにおいて幾度となく金賞を受賞しています。そのなかでも、米国最大の国際的な酒類コンペティションとして有名な、「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SWSC)」では、2015年には最優秀金賞であるダブルゴールドに選ばれるなど、その輝かしい経歴を重ね続けています。
こうした世界的な高評価や、もともとの流通量の少なさも相まって、山崎25年は市場においてプレミア価格で取引されることも珍しくないお酒になっています。
その価格は、元の定価の何倍になることもあるほど。一般的にはなかなか手が出ないお酒だと言えるでしょう。
山崎25年が製造されている山崎蒸留所には、有料のテイスティングカウンターが常設されています。そこでは、そんな山崎25年を始めとしたさまざまな希少ウイスキーを有料で試飲することができるのだそうです。
BARで飲んだり、自分でボトルを買って飲むよりもずっとお手頃な価格にて試飲することができるため、この施設はウイスキーファンにとって非常に人気のあるスポットとなっています。
そのため山崎蒸留所は年間を通して、国内外を問わず遠方からも連日見学客が多数訪れる、ウイスキーファンにとっての聖地となっているのだそうです。
鳥井信治郎がこの山崎の地に蒸留所を建設することを決断した要因のひとつが、京都や大阪からほど近く、気軽に見学に訪れやすい立地のよさだったと言います。
日本初のウイスキー蒸留所を、地域だけでなく世界中の人々に愛されるものにしたいという鳥井信治郎の想いは、こうして今も実現されているのです。
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