「山崎」が発売された1984年に蒸留、樽詰めされたモルト原酒、特に「ミズナラ樽」で熟成した原酒を中心にヴァッティングしています。
ミズナラ樽はサントリーが世界で初めてウイスキーの熟成に使ったことでも有名です。
樽の中の成分がにじんでくるまで時間がかかるため長期熟成のものしか、その味わいを最大限に引き出すことはできません。
ミズナラ原酒の特徴であるオリエンタルな香りから熟した果物、バニラの様な甘さが口の中に広がります。
余韻も厚みのある豊かな香りが長く続きます。
山崎蒸留所は日本初のモルトウイスキー蒸留所として1923年にできました。
山崎は良質な地下水が豊富に湧き出ており、その冷涼な気候と相まってウイスキー造りに適した環境が整っていました。NHKの連続テレビ小説「マッサン」の主人公竹鶴政孝氏が初代所長を務めたことでも有名です。
この山崎の地で後の「トリス」「角瓶」「オールド」「ローヤル」「山崎」などの名酒が誕生しました。
山崎蒸留所は日本人の繊細な味覚に合うようにと世界的に見ても珍しい多様な原酒のつくり分けをしています。
形状やサイズの異なるポットスチル(蒸留釜)を使い分け、加熱方法を変えるなどして個性豊かなモルト原酒を造っています。
そのおかげでシングルモルト「山崎」は世界でも高い評価を受けています。
2013年、「山崎シェリーカスク2013」がイギリスの専門誌ワールドウイスキーバイブルが選ぶ世界最高のウイスキーに選ばれました。
本場のスコットランドを抑えてジャパニーズウイスキーが世界に認められた瞬間でした。
山崎蒸留所は多彩な原酒以外に樽にもこだわっています。
サントリーが世界ではじめて純日本産の木材である「ミズナラ」をつかった樽を用いました。
樽の成分がにじみ出るまで時間がかかるため、その特徴を最大限に引き出すには長期熟成になるのですが、日本ならではのミズナラ樽で熟成された原酒は赤みがかった琥珀色をしており、香木を思わせるオリエンタルな香りが楽しめると世界でも注目されています。
ふっくらとした豊かな熟成感と伸びのある余韻が特徴です。
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