サントリーが日本の精神文化と自然を大切にする心を反映させて作った「響」は、ウイスキーの中でも最高峰として名高いウイスキーです。その中でも、「響12年」は、 酒齢12年以上のモルト原酒に30年超の超長期熟成モルト、グレーン原酒、梅酒樽熟成モルトなど、何種類もの原酒が巧みにブレンドされたブレンデットウイスキーです。
原酒は、名水の地として名高い京都、山梨、愛知の各蒸留所で作られます。京都・山崎蒸留所では雅な香りのモルト原酒、山梨・白州蒸留所では軽快でまろやかなモルト原酒、味の基本となるグレーン原酒は愛知・知多蒸留所でそれぞれ作られます。
各蒸留所は、8対16基の蒸溜釜を使いこなし、貯蔵方法や樽の種類に至るまでさまざまな種類を用意し、その時節と地域に合った味を作り出しています。樽の中での熟成は個性を際立たせ、ブレンダーたちの舌をうならせる存在へと変化していきます。ブレンドする原酒はブレンダーたちがテイスティングし、季節や天候によって微妙に変わる酒の味を巧みにブレンドします。
ブレンダーたちは計測や数値のみで判断するのではなく、樽の種類や歴史、貯蔵方法などによって絶妙に変化する味をききわけ、原酒の特徴や個性を見出します。それらの原酒の味を「響」としてまとめ上げるのは、まさに匠の技といえます。その技法は、1923年の創業以来、サントリーの中で脈々と受け継がれてきました。何十年という歳月をかけて香り高く熟成された味は華やかな風味をもち、まろやかで飲みやすいテイストです。
また、ボトルデザインは24面カットされていて、時の流れを表現しています。24という数字は24時間だけでなく、日本人が古来より用いてきた陰暦である24節気を表しています。さらに、ラベルには上質な越前和紙が採用され、日本の精神文化と自然を大切にする日本人のためのウイスキーとして世界で長く愛されている証となっています。
「響」のシリーズの中でも「響12年」は現在生産されておらず、愛好家の間で取引されている現品のみとなっています。
サントリーの創業者である鳥井信治郎氏は日本人の感性でウイスキーを作ることを目標に、1923年、京都・山崎でウイスキー造りに着手しました。
鳥井氏は「大阪の鼻」とまで言われ、香りをかぎわける天才と評されていました。当時、日本人の繊細な感性でウイスキーを作りたいという思いから建てられた山崎での蒸留所では、当時日本初のウイスキー製造をすることとなりました。
鳥井氏をはじめ製造者達は、ウイスキー造りの本場であるスコットランドで学んだのち、日本人のたおやかな味覚に合うような、日本の絶妙な風土の中でどのようなウイスキーを造ることができるのかを、日々悪戦苦闘しました。その結果、「角瓶」や「オールド」などの銘柄が誕生することとなります。
その後、信治郎氏の次男である佐治敬三は、二代目マスターブレンドを引き継ぎました。そして、サントリー創業90周年にあたる1989年に「響」が誕生します。蒸留所も、京都・山崎の他に山梨・白州と愛知・知多での名水が使用された、それぞれの地域性豊かな原酒が使用されるようになりました。
また、「響」にはサントリーの企業理念である「人と自然と響き合う」という概念が込められています。ウイスキーの製造を通じて、世界中の人とつながり、自然との共生を大切にしていきたいという気持ちが込められた名前と製造過程となりました。原酒は全て日本産であり、それぞれの蒸留所のある地域の風土を生かしたものが使われています。
そして、その絶妙なブレンドは日本らしく香り高い仕上がりとなり、世界中の人々から愛される味になりました。
現在はマスターブレンダーが三代目鳥居信吾氏、チーフブレンダーは四代目福與伸二氏となっていて、匠の技が受け継がれています。原酒を含めると、何十年もの歳月が費やされていて、「響」の存在には過去から未来までの時空を感じずにはいられません。
日本人の感性で作られたウイスキーを世界中で味わってもらうという創業者・鳥井信治郎氏の思いは、今も脈々と息づいています。
「響」にはサントリーの企業理念である「人と自然と響き合う」の他に、もうひとつの意味があります。
それは、香りのイメージについてです。開発当時、チーフブレンダーだった稲富孝一氏が楽器のヴィオラを嗜んでいたことからクラシックに造詣が深く、「響」の香りをブラームスの交響曲第一番第四楽章を想像して作ったと言われています。この「交響曲」の「響」という意味も込められています。
華やかで繊細、口当たりの良い絶妙なブレンドは、総じて80万に及ぶ数の樽から、ひとつひとつ丁寧にテイスティングされて生み出されています。テイスティングの数は、季節や天候、保存状態などによって絶妙に変わっていきますので、1日に300種類を超えることもあります。
この絶妙なバランスは、サントリーの中でも匠の技として代々受け継がれています。創業者の信治郎氏は「もの言わぬ原酒と対話をしなければ、一人前のブレンダーとは言えない」という言葉をのこしています。
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